一般社団法人ワンライフプロジェクト

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何があっても俺は負けない

これからは、力を合わせて生きるぞ!

あの、黒い水に家族を飲み込まれて
残った父ちゃんが俺に言った。

母ちゃんの誕生日に、俺は学校で習ったチャーハンを作るつもりだった。
妹はクッションを準備していた。
母ちゃんへのプレゼントだけが流されたのなら、俺はこんなに怒りを感じて生きる事はなかった。

あるテレビ局の取材の人が、どんな気持ちなのかときかれたけれど、気持ちなんか答えられっこなかった。
もう、気持ちなんか感じなくなった俺だったから。
そう、生きる事より、気持ちを感じるようになるまでの方が、俺には道が遠かった。

あの人もあの人もあの人も死んじゃった
あれもあれもあれも流された

ここには家があった
ここには神社が
ここには木が
ここには公園が
ここには… ここには…

全部覚えているんだ
それがあっという間に全然別の色・形になったんだ
笑えるわけないよ

それでも、俺は父ちゃんと力を合わせて歯を食いしばった。
男だから!

涙は流すものじゃなくて、止めるのに必死なものだった。

あれから3年

俺の中にある怒り
それは、母ちゃんと妹を助けてあげられなかったこと。

俺の中にある光
それは、いつか母ちゃんがいる世界へいった時に褒めてもらうこと。

俺の中にある誇り
それは、たくさんの人の命の分まで生きることと負けないこと。

何があっても俺は負けない、たったひとつの命だから

仙台