私は父と祖母に育てられました。母は私が5歳の時に、妹を連れて家を出て行きました。
私を抱きしめて『ゴメンね、ゴメンね』と泣いていたのをしっかり覚えています。
朝起きると母と妹は違う所で暮らす事になったと父が静かに話してくれました。
泣いちゃいけないと、我慢しました。
何故か、父親の落胆した姿を見て、私が泣いてはいけないんだと思った記憶があります。
両親のその時の事情は、成人してから祖母に聞きました。
祖母も父も、母の事を悪く言う事はなかったので冷静に受け止める事が出来ました。
来月、私は嫁ぎます。家族がバラバラになる事が怖くて、
そういう家庭しか築けないのではないかという先入観に怯えて、
結婚を避けてきた私でした。
しかし、挑戦します。
愛する人についていきます。
昨日、父に言いました。
ダメだったら戻ってくるからねって。
『ああ、人生は耐え忍ぶものじゃない、楽しむものだ。
どうしても無理だと思ったら戻ってこい。』
そう言ってくれました。
父の言葉は、ここぞという時に私を安心させてくれます。
人生は一度きり、たったひとつの命だから。
でも、失敗を恐れず生きたい。
やり直しは何度でも出来るのだから。
福岡県・20代女性