一般社団法人ワンライフプロジェクト

ブログ

愛する二人のこどもたち

私には二人の小学生の息子がいます。5年前に離婚をしました。彼に好きな人ができたので、仕方なかったのです。私は 実家に帰り 両親と一緒に子育てをしてきました。
昨年の秋、私は会社で倒れ 検査の結果 私はながく生きられないことを 告げられました。
誰が受けとめられましょう。誰がそんな話を聞き入れましょう。
私に与えられた時間は あと1年ほど。
まだ 8歳と11歳という幼い子供を残して誰が死ねるというのでしょう。
父親がいなくなった時、二人は駅で来る日も来る日も帰りを待ちました。もう帰ってこないのよと言っても、駅でふたり手をつないで電車から降りてくる人の中から必死で父親の姿を探しました。
やっと父親の話をしなくなったこの頃・・・
私は死ぬわけにはいきません。私を生かしてください。せめて、せめて、あと10年。
お願いです。
私の父は 一人で田んぼ仕事に出かけます。まだまだ元気です。
私の母は 友達と手作りの店をしています。毎日食事の用意もしてくれています。
私が帰ってくるよと話した時は、二人とも孫がふびんだと泣きました。
それでも、精一杯のことはするから、子供を真っ直ぐ育てることだと言ってくれました。
私は心配のかけっぱなしです。両親にまだ何もしてあげていません。
そんな両親に 二人の子供を どうお願いしろというのですか・・・
世の中で一番親不孝な娘です。
あなた達より先に死ぬなんて・・・幼い子供を置いて。
死ねません。死ねません。死ぬわけにはいきません。
あどけない寝顔なんです。二人で話し合っておじいちゃんの誕生日に長靴をプレゼントしたんです。先生からの呼び出しなんか怖くありません。謝らなきゃいけない時は、親の務めです。いくらでも謝ります。
明日の用意をして、きちんとランドセルを枕元に置いて寝ています。
どうしてひとつなのでしょう。どうしてたったひとつなのでしょう。
この春 二人を連れて北海道に行ってきます。二人の笑顔を忘れないために。
お父さん お母さん 本当にごめんなさい。子供たちをお願いします。
愛するふたりの子供たち あなたたちに会えて幸せでした。あなたたちの成人した姿見たかった。奥さんになってくれる人を見たかった。どうか おじいちゃんと おばあちゃんを 守ってあげてね。ママのぶんまで。 
そして 大切にしてね。たったひとつの命を・・・・

(第2巻掲載)