一般社団法人ワンライフプロジェクト

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さよならばあちゃん

私には、大好きなばあちゃんがいる。
お箸の持ち方や、挨拶の仕方、花や木にも命がある事、いろんな事を教えてくれたばあちゃん。

88歳の誕生日をもうすぐ迎えるね、
プレゼントは柘植の櫛にしようと、姉貴と相談して買っているからね。

まだまだ、私達にいろんな事を教えて欲しいよ。

私の手を引っ張って歩いてくれたばあちゃんの顔、高いところにあったのに、気付けば、私の胸までしかない。

お箸はこうやって持つんだよって手を握ってくれたあの柔らかな手は、こんなにも小さくシワシワになってしまって。

毎年編んでくれたセーター、『今年は何玉いるかね』と言いながら私の肩幅を測ってくれた。

母に叱られるたび、私はばあちゃんの部屋に逃げ込んだ。
何の悪さをしたのかと尋ねて、笑いながら私の頭を撫でてくれた。

キリがないよ、ばあちゃんとの思い出は。

もう、ばあちゃんはこのまま眠ってしまうかもしれないと父さんが言った。

少し前にばあちゃんが言った言葉がある。

人は皆いつかお迎えがくる。
じいちゃんのところへ行くだけだから、泣かなくていい、と。

あんた達がしっかり生きるようになってくれたから、ばあちゃんはもう教える事はない、だから、お別れするのだと。

ばあちゃん、幸せだった?ときいてみた。

ばあちゃんは、『じいちゃんと結婚して、あんた達のお父さんを産んで、そして、孫にいっぱい恵まれて、みんな元気でいてくれて、そりゃあ幸せやったたい。家族がある、これが一番たい そして、みんな仲良く』と笑って答えてくれた。

ばあちゃん、生きるってそんなに難しくないよね。
私、ばあちゃんの生き方を真似するからね、私の人生の大先生。

たったひとつの命だから 私も仲良し家族を作ります。

さようなら、ばあちゃん

福岡県 24歳