10代のころ いつも一緒にいた彼
夏はバイクの後ろに乗っけてくれた
朝早く起きてお弁当を作るのが私の役目
ヘルメットを差し出されて 汗臭いなと思いながらすっぽりかぶり
海までの1時間を
彼の背中にほほをあて
彼の体温を感じながら
彼のにおいを確かめながら
そして 幸福感に浸ったものでした
ただ 浸っていたひとときでした
その彼が社会人になり遠く離れてしまったことで
別れてしまったけれど
いつも思い出すのは彼の背中の温かさ
今は 携帯電話というものがあって いつでも電話やメールができて
あの頃 こういう物があったなら 私達も違っていたのかなと思ったりもする私
時は流れて
お見合い結婚をして 子供にも恵まれて
なんの不自由もない生活をさせてもらっているけれど
幼い恋が 一番大きな恋でした
たったひとつの命だから
どこかでもう一度冒険してみたい
兵庫県 40代女性