僕は、小学6年生です。
入院していて、その病院で『たったひとつの命だから』の、本を読みました。
僕と同じように、病気と戦っている人の文章がいくつもあって、僕は心から共感しました。
僕の病気は、白血病という血液の病気です。
病気が分かった時から、お母さんがあんまり笑わなくなりました。
お父さんも言葉に力が感じられません。
最初は、すぐ退院出来ると聞いていました。
クラスのみんなにも、すぐ戻ってくると言っていました。
退院が何度も伸び、治療しても治療しても僕は元気にはなりませんでした。
反対に、だんだん起き上がる事が苦しくなってきました。
薬を体に入れても、飲んでも、僕の体が治らないのはどうしてだろう?
悪い病気なんだ!と、思い始めました。
先生に思い切ってきいてみました。僕の病気は、何という名前なのか。戦うのは僕だから。
僕は、小さいころから柔道をやっています。
僕が戦う相手は目の前にいる対戦相手だけです。
監督が、『いいか、余計な事は考えるな、目の前の相手と戦う事だけ考えろ!そうでなきゃ勝てんぞ!』
と、いつも言ってくれました。
病気も同じだと思いました。
先生は、お父さん達と相談して、白血病だと教えてくれました。
治すまでに時間がかかるし、治す方法を見つけながら薬を選んでいるんだと聞きました。
治らないかもしれない病気なんだと分かりました。
僕は、小学6年生で良かったなと思います。
なぜなら、先生の話を聞いても、あんまり理解出来ないからです。
目の前の相手が、白血病という名前だと分かっただけでいい、僕はそう思います。
これから、僕はこの相手と戦っていきます。
監督に教えてもらった事を守ります。余計な事は考えません。
注射を打たれても、薬を入れられても、僕は戦います。
僕を産んでくれたお母さんが泣かないために。
家に帰って、友達といっぱい遊んで、もっと柔道強くなって、大会に出たいから。
そして、たったひとつの命だから
戦える体があるから。
・・・
お母様からの言葉も添えられていました
昨日、息子の病院へ行くと
これを、ワンライフプロジェクトさんに送って欲しい
と、言われました。
iPadで打った息子の文章がありました。
おっとりとした性格で、人に自分の意見が言えない子だと思ったので、6才から柔道を習わせました。
だんだん活発な子になり、親として、息子の成長を喜んでいたある日、突然倒れ、そのまま入院。
そして、今は抗がん剤治療を受けているところです。
この文章を読んだ時、自分に言い聞かせ、こうやって発奮する方法を息子は身につけていたんだと知りました。
目の前の相手と戦う事
本人にしか出来ない事
私はそれを見守るしか出来ない事
複雑な思いがあります。
でも、親の私も同じです。
私も戦います!目の前の相手と。
息子と一緒に。
心に希望が湧きました。
ありがとうございます。