一般社団法人ワンライフプロジェクト

ブログ

お彼岸の日に

お母さんから あいへ

あなたが大人になって ひとりの男性を愛し
嫁ぐ日に お母さんのことを思い出して欲しい。

二十歳でお父さんに出会いました。
お母さんのことをたくさん愛してくれました。
病気になる前のお母さんとお父さんはたくさん旅をしました。
北海道と京都と長崎は 特に思い出がいっぱい。

お母さんを綺麗に撮ってくれるお父さんの写真家としての腕前はどうですか?
二十歳から10年間のお母さんの笑顔がいっぱい詰まっています。
人は笑顔が一番美しいと感じます。

大好きなお父さんの奥さんになれてとても幸せでした。
あなたが生まれて
こんな幸せが存在するなんて、どう神様にお礼を言ったらいいのだろうかって
毎日手を合わせて天国のおじいちゃんとおばあちゃんに感謝しました。

ごめんなさいね
もう お母さんにはそんなに時間は残されていません。
まだ幼いあなたを置いて違う世界へいくことを
どうやって準備していいのか 正直わかりません。

細くなった自分の腕・胸・足 容赦なく増え続ける悪魔のようなガン
どうしてこんな病気が存在するのだろうかと
たくさん悲しみました。
どれだけの人が同じような病気で命を落としたのだろうかと

でも、今思うのです。
人はいつか死を迎えます。
その時を、家族や友達や仲間に囲まれて迎えられることは 決して不幸ではないと。

あい
お母さんはとても幸せです。
だから どうか悲しまないでくださいね。
その時を。

お願いがあります。
お父さんをひとりぼっちにしないでね。
お母さんのところへ来てくれるその日まで、お父さんをお願いね。
2013年9月23日

たったひとつの命だから 静かに感謝の気持ちでその日を迎えたい

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この方からお手紙も添えられていました。

ワンライフプロジェクトさま

ブログでたまたま見つけました。
いくつかのメッセージに勇気をいただきました。
私は末期がんで抗がん剤治療を受けてきましたが、もうこの治療を受けずに残りの時間を穏やかに家族の元で過ごすことにしました。

保育園に通う娘が、健気に私の体をさすってくれています。
「ママ 元気になってね」と

娘の前では泣かないと決めたものの、溢れ出す涙をこらえることは出来ません。

もう少し生きたかった。
もっと主人と一緒に生きたかったです。
髪の毛がなくなった私の頭をなでながら
「お前の髪の毛がなくなることはどうもない
 でも、お前がいなくなるのは耐えられない
 頼むから生きてくれ」 そう言って泣いてくれました。

一度も喧嘩をしたことがありません。
私のわがままを全部きいてくれた主人でした。
「いいよ いいよ」と 全部笑ってこたえてくれました。

私 何がいけなかったのでしょう。
どうして こんな幸せなときに私は時の期限を切られてしまったのでしょう。

誰にも分からないことですね。
少しだけ早く違う世界へいってしまいますが
幸せだったことを残しておきたくてメッセージを送らせていただきました。

素敵な活動ですね。
これからもがんばってくださいね。

心の整理をつけさせてもらいました。
感謝です。

お彼岸の日に続編

妻が今月3日に他界いたしました。
31歳11ヶ月の若さでこの世を後にしました。

小学1年の娘は、母親の死をわかっているようです。
私と二人の生活は、妻が寝たきりの頃の延長線のようでもあり、全く別のようでもあり。

私は、少し落ち着きました。涙を堪えるなど出来ませんでした。

あのあと、娘宛に何通も手紙を書いていました。書きながら心を平常に保っているようでした。

いつかこの日がくると分かっていましたが、昏睡状態の妻に、
いくな‼いくな‼まだ早いだろ‼それしか言えませんでした。
息を引き取った妻に対してありがとうなんて出てきやしませんでした。
戻ってきてくれ‼私はそう叫びました。

一日おきに妻の髪をシャンプーしました。とても気持ちよさそうにしていました。
一時は全部抜け落ちました。どうにかショートカットくらいに伸びましたが。

ほほえみたくない日もあっただろうに、私と娘にはいつも笑顔を向けてくれました。

妻は幼い時に車のドアで指をはさみ、左手の小指がありませんでした。
その切断した先を娘に見せて
『ここに、お母さんの神様がいるのよ。神様は見えないでしょう。ママの小指も見えないでしょう。あい、ママにも小指はあるの。いい?見えなくなってもあるんだよ』
そう話していました。
自分の姿が見えなくなっても、ママはいるからね
そう伝えていたんだと思います。

二人の会話を聞きながら、この1年、よく泣きました。
もう、顔を見ることも、手を繋ぐことも、抱き締めることも出来なくなりました。
本当に命はひとつしかないことを妻は教えていきました。

妻は、私にも手紙を残していました。
自分が死んだら、私のことは忘れて、かわいい奥さんをもらってくださいと。
僕にとって妻以上の女はいません。
違う誰かを愛する日がくるなど到底思えません。
今、妻の息がまだ聞こえてきそうなこの家で、妻を感じて毎日を送っています。

僕が魂の世界へいった時に、そこでまた会える。必ずまた会いたいと今はそれだけです。

妻と何度もやりとりしていただきありがとうございました。

これからも妻共々応援しております。