父との別れが呆気なくやってきました。
その日の朝までいつもと変わらない父でした。
突然倒れた父を救急車で運びましたが、帰らぬ人となってしまいました。
いつかこんな日が来るとは分かってはいたのですが。
本当にやってくると、心が空っぽになってしまいました。
そんなに仲良し親子ではなかったけれど
亡くなってから、私は愛されていたんだなと思う事ばかり。
私名義の貯蓄。
私が贈ったプレゼントの数々。
時々送った私の仕送りは封すら切らずに金庫の中に。
すんなり許してもらえなかった私の結婚でした。
父の忠告を無視した私の結婚生活は2年で破綻。
離婚した私の心配を誰よりもしてくれていました。
40を過ぎた頃から、独身の私の心配を相当していたと思います。
父という人は、私の意見に必ず一度は反対する人で、それをどこか私は愛されていないと思い込んでいました。
しかし、そうではなかったなと
父を失って改めて実感しています。
私は、タヌキみたいな父のお腹が大好きでした。
父のバイクの後ろに乗り、どこにでも連れて行ってもらって。
何故か父の笑顔ばかりが思い出されます。
生前は、厳しい父親だとばかり思っていましたが、何故なのでしょう。
父の墓前に手を合わせ、ありがとうしか言えません。
迷っていましたが、私は再婚して、今度こそ温かい家庭を築くことにしました。
両親からもらったたったひとつの命を
次の命に繋ぐために。
山口県・40才